イメージをシャープにする

イメージの詳細をシャープにするときは、「エッジシャープ」コントロールを使用します。撮像素子を使って撮影したイメージは、カメラのプロセッサによってデモザイクフィルタが適用されるために、若干ピンボケ気味に見えることがよくあります。「エッジシャープ」コントロールは、イメージの輝度値を調整することで、隣接している明るいピクセルと暗いピクセルのコントラストを強め、「先鋭感」を作り出します。隣接している明るいピクセルと暗いピクセルのコントラストを強くすると、キレのある鋭い感じのイメージになります。ノイズ除去調整を行うときにも、「エッジシャープ」コントロールを使用します。ノイズ除去調整を行うと、その効果によってイメージがぼやけてしまうことがありますが、「エッジシャープ」コントロールを使うことでエッジの詳細感と先鋭感を保つことができます。「エッジシャープ」調整を使用して、一部のプリント処理で先鋭感の弱くなったイメージを補正することもできます。

図。 「エッジシャープ」調整の前と後のイメージ。

「エッジシャープ」調整では、できるだけ正確に調整が行われるように、イメージのシャープ調整が 3 回行われます。最初にシャープ調整の大部分が実行されてから 2 回のシャープ調整が行われますが、同時に実行されているように見えます。これらの後続の調整は、減衰と呼ばれます。

重要: 「エッジシャープ」コントロールは、ピントのずれたイメージを補正するために設計されたツールではありません。

前のバージョンの「Aperture」からのシャープ調整も含まれています。前のバージョンの「Aperture」で「シャープ」調整を使ってシャープ調整を適用している場合は、「シャープ」調整コントロールが残っているので、調整は変更されずにそのままの状態で残ります。ただし、ほかのイメージのシャープネスを詳細に調整するときは、「エッジシャープ」調整コントロールを使用することをお勧めします。全体的にシャープ調整の適用をより精密に制御できます。

「エッジシャープ」コントロールを使ってイメージをシャープにする

  1. 写真を選択します。

  2. 「調整」インスペクタまたは「インスペクタ HUD」の「調整」パネルに「エッジシャープ」コントロールが表示されない場合は、「調整を追加」ポップアップメニューから「エッジシャープ」を選択し(または Control + S キーを押し)、以下の設定を指定します:

    • 「エッジシャープ」調整の強度を調整するには:「強度」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「エッジシャープ」領域の「強度」コントロール。

      値が 0.0 のときは、シャープ調整はイメージに適用されません。0.0 を超える値では、シャープ調整が増加します。

    • どのピクセルがエッジでどのピクセルがエッジでないかを決定するためのしきい値を調整するには:「エッジ」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「エッジシャープ」領域の「エッジ」コントロール。

      値が 0.0 のときは、シャープ調整はイメージに適用されません。0.0 より大きい値のときに、エッジと見なされるピクセル数が増加します。

      参考: 単調なイメージ領域(コントラストがほとんどまたはまったくない領域)にデジタルノイズが増え始めたら、「エッジ」パラメータ設定を下げます。

    • 後続のシャープ調整で適用されるシャープネスの量を調整するには:「減衰」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「エッジシャープ」領域の「減衰」コントロール。

      この減衰の割合は、2 回目と 3 回目のシャープ調整に均等に適用されます。たとえば、「減衰」パラメータ値を 0.69(69 パーセント)に設定した場合、2 回目のシャープ調整は最初のシャープ調整量の 69 パーセントに適用され、3 回目のシャープ調整は 2 回目のシャープ調整量の 69 パーセントに適用されます。つまり、3 回目のシャープ調整は、最初のシャープ調整量の 47.6 パーセントだけに適用されます。

ブラシを使って、エッジシャープ調整を特定のイメージ領域に適用することもできます。詳しくは、ブラシ調整を適用するを参照してください。

「エッジシャープ」のワークフローを使用する

「Aperture」の「エッジシャープ」調整は、写真をシャープにするための本格的なツールです。以下のワークフローに従って「エッジシャープ」調整コントロールを使用することで、プロレベルの調整を簡単に実現できます。

  1. 「調整」インスペクタまたは「インスペクタ HUD」の「調整」パネルの「エッジシャープ」領域で、「強度」スライダを最大値に設定して、その効果を確認します。

  2. イメージの中でどの部分がシャープになるかを確認できるように「エッジ」スライダを調整します。

    イメージのノイズやテクスチャに影響を及ぼすことなくエッジがシャープになるように「エッジ」スライダを調整してみます。

  3. 最もシャープにしたいエッジのサイズが強調されるように「減衰」スライダを調整します。

  4. シャープの効果が自然に見えるようになるまで「強度」パラメータを下げます。

    通常は、0.5 以下の値が適切になります。

従来の「シャープ」コントロールを使ってイメージをシャープにする

「シャープ」調整コントロールは、前のバージョンの「Aperture」でイメージに適用された「シャープ」調整パラメータ設定を修正する必要があるときに使用します。

  1. 写真を選択します。

  2. 「調整」インスペクタまたは「インスペクタ HUD」の「調整」パネルに「シャープ」コントロールが表示されない場合は、「調整を追加」ポップアップメニューから「シャープ」を選択し、以下の設定を指定します:

    • イメージに適用されるシャープネスの量を調整するには:「強度」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「シャープ」領域のコントロール。

      値が 0.0 のときは、シャープ調整はイメージに適用されません。0.0 より大きい値のときに、イメージに適用されるシャープ調整が増加します。

    • シャープ調整を適用する領域(シャープネスを評価するための、各ピクセルからの距離、単位はピクセル)を調整するには:「半径」パラメータコントロールを使用します。

      値が 0.0 のときは、シャープ調整はイメージに適用されません。0.0 より大きい値のときに、シャープ調整が適用される領域が広くなります。

ブラシを使って、シャープ調整を特定のイメージ領域に適用することもできます。詳しくは、ブラシ調整を適用するを参照してください。