イメージのハイライトとシャドウの詳細を保持する

複雑な照明環境で撮影したイメージの露出を補正するときは、「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用します。たとえば、暗い方の領域(シャドウ)を除いてシルエットの露出が適切であるイメージについて、シャドウの露出を補正するときに、「ハイライトとシャドウ」コントロールを使用できます。また、イメージの明るすぎる領域の詳細を補正するときにも、「ハイライトとシャドウ」コントロールを使用できます。この機能は、雲や雪のイメージ、またはシャドウ領域の露出は適切なイメージを調整するときに、特に役立ちます。ほかの色調領域の詳細の品質を低下させずに、イメージのハイライト、ミッドトーン、またはシャドウの露出を最適化したいときには、「ハイライトとシャドウ」コントロールを使用することをお勧めします。

ブラシを使って、ハイライトとシャドウ調整を特定のイメージ領域に適用することもできます。詳しくは、ブラシ調整を適用するを参照してください。

イメージのミッドトーンとシャドウに影響を及ぼさずに、ハイライト領域の明るさ値だけを調整したいときは、「ハイライト」パラメータを調整します。人間の目は、雪などのハイライト領域よりもシャドウ領域の方が細部まで感知できますが、「ハイライト」パラメータコントロールを使用してハイライト領域で補正できる視覚情報の方が、通常はかなり多くなります。また、イメージの背景の露出は適切であるのに、前景の露出がやや多いときにも、「ハイライト」コントロールを使用できます。このような場合は、「ハイライト」コントロールを使って、露出の多い前景を露出が適切な背景に合わせます。

図。 「ハイライト」調整の前と後のイメージ。

イメージのシャドウ領域が露出アンダーのときは、シャドウ領域を調整する必要があります。たとえば、戸口で撮影したイメージでは、背景の露出は適切ですが、前景はやや露出アンダーになります。シャドウを調整すると、シャドウ領域のピクセルだけが明るくなり、通常はブラックまたは濃いグレイで暗くなっている部分の詳細が見えるようになります。

図。 「シャドウ」調整の前と後のイメージ。

「中コントラスト」パラメータコントロールを使って、イメージのミッドトーンのコントラストの量を調整することもできます。

参考: 「Aperture 3.3」では、「ハイライトとシャドウ」調整コントロールが簡単に使用できるようにアップデートされ、シャドウ調整によってハロー効果が除去され、ハイライト詳細の復旧が改善されて、全体的なパフォーマンスが向上しています。元の「ハイライトとシャドウ」コントロールを使って調整したイメージは、デフォルトではアップグレードされません。イメージをアップグレードして新しい「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用することも、オリジナルの「ハイライトとシャドウ」コントロールを使い続けることもできます。

イメージのハイライト、シャドウ、およびミッドトーンのコントラストを調整する

  1. 写真を選択します。

  2. 「調整」インスペクタまたは「インスペクタ HUD」の「調整」パネルの「ハイライトとシャドウ」領域で、以下の設定を指定します:

    • イメージのハイライト領域の詳細を復旧させるには:「ハイライト」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「ハイライトとシャドウ」領域の「ハイライト」コントロール。
    • イメージのシャドウ領域の詳細を復旧させるには:「シャドウ」パラメータコントロールを使用します。

      図。 「調整」インスペクタの「ハイライトとシャドウ」領域の「シャドウ」コントロール。
    • イメージのミッドトーンのコントラストの量を調整するには:「中コントラスト」パラメータコントロールを使用します。

      「調整」インスペクタの「ハイライトとシャドウ」領域の「中コントラスト」コントロール。

新しい「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用するようにイメージをアップグレードする

新しい「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用するようにイメージをアップグレードすると、古い「ハイライトとシャドウ」調整が削除され、イメージは新しい調整によって再処理されます。イメージの外観は変わる可能性があります。

  1. 前のバージョンの「Aperture」で適用された「ハイライトとシャドウ」調整を使用している写真を選択します。

    「調整」インスペクタおよび「インスペクタ HUD」の「調整」パネルの「ハイライトとシャドウ」調整コントロールの上部に、「アップグレード」ボタンが表示されます。

  2. 「アップグレード」ボタンをクリックします。

    新しい「ハイライトとシャドウ」調整を使用するようにイメージがアップグレードされ、新しいコントロールが表示されます。イメージのハイライトとシャドウの詳細は変更される場合があります。

従来の「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用してイメージを調整する

新しい「ハイライトとシャドウ」調整コントロールを使用するようにイメージをアップグレードしたくない場合でも、前のバージョンの「Aperture」でイメージに適用した「ハイライトとシャドウ」調整を詳細に調整できます。

参考: 「Aperture 3.3」以降ではじめて「ハイライトとシャドウ」調整をイメージに適用した場合は、新しい「ハイライトとシャドウ」コントロールのみが表示されます。

  1. 前のバージョンの「Aperture」で適用された「ハイライトとシャドウ」調整を使用している写真を選択します。

    「ハイライトとシャドウ」調整コントロールの上部に「アップグレード」ボタンが表示されます。これは、「ハイライトとシャドウ」調整が前のバージョンの「Aperture」を使ってイメージに適用されたことを示しています。

  2. 「調整」インスペクタまたは「インスペクタ HUD」の「調整」パネルの「ハイライトとシャドウ」領域で、以下の設定を指定します:

    • イメージのハイライト領域の詳細を復旧させるには:「ハイライト」パラメータコントロールを使用します。

    • イメージのシャドウ領域の詳細を復旧させるには:「シャドウ」パラメータコントロールを使用します。

  3. 「ハイライトとシャドウ」の詳細設定を調整したい場合は、「詳細」の開閉用三角ボタンをクリックして「ハイライトとシャドウ」の詳細コントロールを表示してから、以下の設定を指定します:

    図。 「調整」インスペクタの「ハイライトとシャドウ」領域の詳細コントロール。
    • 各ピクセルの色調を決定するために使用する領域を設定するには:「半径」パラメータコントロールを使用します。

    • 「ハイライトとシャドウ」の調整中に適用する彩度の量を設定するには:「色補正」パラメータコントロールを使用します。

    • ハイライトで変更される色調の範囲を設定するには:「高色調幅」パラメータコントロールを使用します。

    • ミッドトーンのコントラストの量を設定するには:「中コントラスト」パラメータコントロールを使用します。

    • シャドウで変更される色調の範囲を設定するには:「低色調幅」パラメータコントロールを使用します。